司法書士は弁護士・行政書士とともに法律系の問題解決にあたる国家資格をもったプロフェッショナルです。それぞれの資格には守備範囲があり、基本的に司法書士であれば法務局に提出する登記関係の文書の作成であったり、依頼を受けてその人のために申請手続きを代理したりといったことがらが主体となります。一部の認定を受けている人に限っては、弁護士と同様に少額な訴訟の代理人として裁判所の法廷に出たりすることもあります。このような司法書士のサポートが得られる分野のひとつとして、相続登記をめぐるトラブルが挙げられます。

相続登記というのは土地や建物、マンションなどを相続が原因で取得した人が、その名義を変更するための手続きといえばよいでしょう。この相続登記には所有権がたしかに移ったことを証明するさまざまな書類を添付する必要があります。それは亡くなった人や相続人の戸籍謄本であったり、印鑑登録証明書であったりしますが、とりわけ相続人の人数が多い場合にはすべて揃えるのもたいへんです。また手続きに協力的な相続人ばかりとは限らず、なかなか必要な書類を提出してくれなかったり、あるいは遺産分割をめぐって相続人同士での争いがある場合もあり得ます。

いずれにしてもいったんトラブルに入り込んでしまうと、なかなか出口がみつからないのも当事者としての実際のはずです。こうした場合こそ客観的で冷静な判断ができる専門家がサポートすることが求められているのであり、司法書士はその役目にはまさにふさわしい存在といえます。